●音近親説●
〜自然倍音列に見る調和〜

中山 健太 筆


1.音近親説
ドイツの生理学者であり物理学者であるHerman von Helmholtzによって提唱された。
2つの音は、それが1つまたはそれ以上の倍音を共有するときに協和するということ。
つまり自然倍音列の一致が多いほど協和性が高いということ。

2.自然倍音列
では自然倍音列とは何か?
この概念はいたって単純だ。
倍音成分を1倍音、2倍音、3倍音、…、と並べていったものだ。

下の表は C=120Hz としてC調長音階純正律に従って自然倍音列を並べた。
表中の単位は[Hz]
倍音                  
第1倍音 80 (F) 120 (C) 150 (E) 180 (G)
第2倍音 160 (F) 240 (C) 300 (E) 360 (G)
第3倍音 240 (C) 360 (G) 450 (H) 540 (D)
第4倍音 320 (F) 480 (C) 600 (E) 720 (G)
第5倍音 400 (A) 600 (E) 750 (Gis) 900 (H)
第6倍音 480 (C) 720 (G) 900 (H) 1080 (D)
第7倍音 560   840   1050   1260  
第8倍音 640 (F) 960 (C) 1200 (E) 1440 (G)
第9倍音 720 (G) 1080 (D) 1350 (Fis) 1620 (A)
第10倍音 800 (A) 1200 (E) 1500 (Gis) 1800 (H)
第11倍音 880   1320   1650   1980  
第12倍音 960 (C) 1440 (G) 1800 (H) 2160 (D)
第13倍音 1040   1560   1950   2340  
第14倍音 1120   1680   2100   2520  
第15倍音 1200 (E) 1800 (H) 2250 (Dis) 2700 (Fis)
第16倍音 1280 (F) 1920 (C) 2400 (E) 2880 (G)

以上を見ればわかると思うが、
CとGでは(16倍音までの)倍音成分で5個が一致し、
CとEだと(16倍音までの)倍音成分は3個が一致している。
つまりCはEよりもGの方が協和性が高いと言える。

またCEGの長3和音でCが根音となりえるのは、Cの倍音成分にE、Gが含まれるからである。
逆にEやGの倍音成分にCは含まれることはないから、その和音において根音になれない。



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