●発音体としての声帯●

中山 健太 筆



悲鳴は高い声に、溜息は低い声になるということは経験的に理解できると思う。
特に意識しているわけではないだろうが、両者の違いは何だろうか?

悲鳴を上げるときには、恐怖あるいは驚きによって身体は緊張状態にある。
一方、溜息を漏らすときは、安堵、疲労によって身体は弛緩状態にある。

つまり声帯にかかる力の大小によって声は高くも低くもなる。

声帯を伝わる波の速さを v[m/s]、声帯に加わる力を S[N(=kg・m/s^2)]、声帯の線密度を ρ[kg/m]とすると、
v = (S/ρ)^(1/2) という関係式が得られる。

また、声帯の長さを l[m]、声帯中にあらわれる定常波の腹の数を m[個]、波長を λ[m]とすると、
l = m・λ/2
λ=2l/m
となる。(但し、m∈)
(mは倍音成分を表している)

声帯の振動数をf[Hz]とすると、
f = v/λ = mv/2l = (m/2l)・(S/ρ)^(1/2)
の関係が得られる。

ここで声帯の重量を x[kg]、声帯の固定端を可変として、長さをnlに置き換える。
(nは可変長の係数とし、 0<n≦1 の範囲にあるものとする)
f = (m/2nl)・(S/ρ)^(1/2) = (m/2n)・(S/lx)^(1/2)
この式においてl、xは個々人によって違い、変えることはできない。
ゆえに声帯が“長い”あるいは“重い”人ほど低音は出しやすいといえる。
そして、声帯にかかる力を強くしていけば理論上は高音がどこまでも出る…はずである。

声帯が力を加えて変型するか、あるいは声帯の両端以外の声帯内に固定端を作れるかは知らない。
解剖学に詳しい人に聞いて欲しい。

補足
人声は、肺から送られてきた呼気が、なかば閉じられた声帯の間を通るとき、それを振動させて発せられる。
その音自体は小さく、音色にも乏しいが、それに胸腔、咽頭腔、口腔、鼻腔などの共鳴が加わることによって、
現実に聞かれるような音量で、さまざまな音色を伴った声となる。

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